〈2〉 階段の正しい昇り方・降り方
階段を昇るときは、足元を見るため背中が丸くなりひざが曲がります。さらに、お腹が前に出やすいので、重心は下がります。下がった重心に逆らって、カラダ全体を1つ上の段に上げるのですから、大変なパワーが必要です。そのため、階段を昇ると疲れる、というわけです。
階段を降りるときは、右脚が1つ下の段に向かって空中を移動しているとき、カラダを支えている軸足の左脚は、ひざを徐々に曲げていきます。ひざを曲げてカラダの重さを支えるのは、とても大きな力が必要です。これは、中腰が疲れることでも理解できます。
そのような理由で、階段を昇り降りする場合、ひざには体重の3倍以上の重さがかかる瞬間があります。駆け上ったり駆け下りたりすると、瞬間的には体重の7~8倍の重さが加わることもあります。
ですから、階段は重心を上げることを意識して、背すじを伸ばしたまま、静かに足を運びます。もし、不安なら手すりを利用するのもいいことです。安全に、足腰に優しく、さらに美しく階段を昇り降りしたいものです。