〈3〉 カラダの重心と姿勢
重心とは重さの中心点です。感覚としては「カラダの中でもっとも重く感じられる部位」です。
重心は腹部にありますが、太っている人はお腹が前方に出ているため、重心も前に移動しています。しかし、重心が前になると、前方に転びやすくなります。そのため、自然と腰を反らして、バランスを取るようになります。腰を反らした姿勢は腰痛の誘因にもなるので、歩いたり走ったりする前に、直しておきたいものです。
重心をなるべく背骨に近づけて、安定のよい姿勢にするためには、腹筋に力を入れて腹部をコンパクトにしておくことが効果的です。つまり、お腹を引き締めておくのです。
そうすることで重心は背骨に近くなり、腰の彎( わん) 曲も小さくなります。さらに、重心の位置も上がるので、スラリと見えます。
しかも、重心が上方にあると、運動学的にスピーディーに軽やかに歩いたり走ったりできます。
つまり、重心を上げる要領を身につけておくことは、メリットが大きいのです。