〈4〉 よい走り方と悪い走り方
よい走り方のポイントとして大切なのは着地です。走るとスピードが出るため、蹴り出した脚は、胴体よりもかなり前方に振り出してから着地します。そのため、ややもするとつま先から着地しがちです。しかし、つま先は衝撃を和らげる働きが弱いので、着地には不適です。さらに、つま先から着地すると、つんのめるような走り方になります。こんなときは、背中が丸く重心が前方に移動している場合が多いので、注意しましょう。背すじは自然に伸ばし、着地はかかとから着くことを意識しましょう。
走るときに、原則としてひざは真っ直ぐ前に出します。すると、足先も前を向きます。さらに、ヒジを振るときは外側に広げず、真っ直ぐ後ろに引くようにして、腕を振ります。この2点を心がけるだけでも、美しい走り方になれます。
また、肩を左右に振らないことも心がけましょう。肩が揺れるとカラダの軸は、そのたびに左右にブレます。走る方向は前方ですから、左右の揺れは余分なエネルギーを使っていることになります。腰はあくまでも正面を向き、左右同じ高さのままで走るのが理想です。
よい走り方を身につけたい人は、まず歩幅をいつもの2/3くらいの狭さにしてみることもー案です。歩幅を狭くすることで、カラダを支える脚は、あまり傾くことなく、他方の脚が着地してくれます。そのため、バランスがとりやすく、安定した走りができます。