〈5〉 正しい走り方(生活の中で)
生活の中で走る場合、とかく走ることよりも「急ぐ」とか「何しろ走ればよい」となります。そのため、走り方も乱れがちです。
一般の人が走ると、スピードを出そうとするために、過剰な猫背になってしまいがちです。背中は丸く、首は前に出て、美しい走り方でないばかりか、首や腰にも負担がかかります。
その反対に、腰は後方に残ったまま脚だけを前方に出して走ることで、歩くことよりもスピードをアップしようとする人もいます。まさに、へっぴり腰での走り方です。これもスピードは上がらず、疲れやすいうえに、足腰への負担は増えます。走るときは腹筋に力を入れて、首も伸ばしておきましょう。
また、頑張るために奥歯や顔、さらに肩に余計な力が入ってしまいます。見た目には、肩が上がって、肩と腕のリズミカルな振りはなくなってしまいます。上半身の動きを使えないと、疲れやすいばかりか、同じ距離を走るのにも足腰の負担は大きくなります。
足先が前に出ないで内側に入ったり、外側に向いたりと、普段の内股や外股の歩き方が、より一層走ることで顕著になってしまいます。蹴り出す足も、内側や外側に蹴り出すクセが現れます。すると、ひざの内側か外側のいずれかにとても大きな力がかかり、ひざを傷める原因になります。もちろん、股関節にも無理がかかりやすい走り方です。
これらの走り方のクセは、疲れていたり荷物を持っていたりすると、ますます著しく表面化します。
とかく、無意識になりやすい生活の中での走り方は、少し心がけることで、カラダに無理が少なく、カッコいい走り方ができます。そして、よいエクササイズも兼ねられればいうことありません。