〈8〉 路面別の歩き方
最も歩く機会が多いのは、アスファルトやコンクリートでしょう。
アスファルトやコンクリートは、滑らず平らなので、バランスがとりやすく、硬いので蹴り出しやすい路面です。また、重心をかなり上げても歩けますから、さっそうと美しく歩けます。ただし、着地を丁寧にしないと、ひざや腰に衝撃が大きく、痛みやケガの原因になります。
フローリングや大理石などは、滑りやすさが加わります。そのため、あまり重心を上げると、安定が悪くなって滑ります。よって、頭の位置を変えない程度の感じで、歩幅もやや狭くしましょう。脚は腰から大きく振り出すのではなく、ひざを前に送り出すような感じで歩きます。
カーペットは反対に、滑りにくくなります。しかし、蹴り出したあとで、ややひざを高く上げる必要があります。そうでないと、脚を前に送り出す途中で、つま先がカーペットにひっかかり、つまずく結果になります(時折、見かける光景ですよね)。とくにハイヒールを履いたときは、蹴り出し後のひざを高めにしましょう。
雪道はまず「転ばない」ことが大切です。そのため、重心はやや下げてひざも軽く曲げておきます。すると、もしバランスを崩して転びそうなときでも、とっさに安定のよい位置になれますから……。また、雪道を歩くときは、蹴り出しを弱くし、着地はいつもより手前にします。なるべく、左右の脚が同時に着地している時間を長くする、ということです。